大切なものは、目に見えない (出産立会い記)

7月 3, 2012 1:59 pm Published by

  
6月29日は、星の王子さまの作者、サン・テグジュペリの誕生日で、プロダクトデザイナー柳宗理の誕生日だ。
星の王子さまは人生で大事なことは何かということを教えてくれたし、柳宗理はデザインに対する考え方を教えてくれた。

  
2012年の6月29日には、我が家にはじめての娘が産まれた。
私たちの記念日になったこの日を、残しておくために日記を書きたいと思う。

  

私たち夫婦は、東京都世田谷区にある、野沢龍雲寺というお寺のそばに住んでいる。
朋子さんは5月から広島に里帰りをして、出産の準備をしていた。
出産の準備とは、宮島や瀬戸内海の見える坂道をぐるぐる回ってウォーキングしたり、
マタニティ・ヨガを風呂あがりに3~40分したりすることで、
これは結果的には効果があったんだと思う。

  
また、ソフトバンクのホワイトプランで、
夜の8時30分から9時まで私と電話するのが日課になっていた。

  
私は産まれる直前まで子供が出来るっていう実感が無かった。

  

6/29午前3時、朋子さんからの電話で目が覚める。
「おしるし」というやつが出たので、病院に行き、
すぐに産まれるのかわからないから、先生の診断を受けてから折り返すとのこと。

 
■ 
午前7時、再度朋子さんから電話。
破水していたので、48時間以内に出産するとのこと。
早く産まなければいけないので、医者の説明を受けて、
赤ちゃんの心拍音をチェックしながら陣痛促進剤(錠剤)を飲むとのこと。

 

この日は大きめのプレゼンがあったが、相方の玉生さんにお願いして
急いで荷物をまとめて広島へ向かう。

 

 
広島到着は12時。病室へ着くと既に陣痛が始まっていた。
(陣痛とは、出産するときに周期的に来る痛みで、これが1分間隔になると分娩室で出産を始める。とにかく痛いらしい。)

 

iPhoneのストップウォッチで、陣痛の周期を計測する。どんどん間隔が短くなっていって、
14時過ぎには3~5分間隔になった。そのころには朋子さんも痛みで口数も少なくなっていた。

 

この時点で看護師さんを呼び、陣痛室という部屋に移動した。朋子さんは歩くのも辛そうだった。

 

15時ごろ陣痛室に入ると、まもなく1分間隔の陣痛になり、今度はいよいよ分娩室へ移動した。

 

「自分の産みやすい体勢でどうぞ!」と助産師さんが言うので、いろんな体勢を試した。
陣痛に合わせて下腹部に力を入れて出産するのだが、この時が一番痛そうだった。身体が硬くなり、
汗をたくさんかいていた。力が入りすぎて椅子が壊れるんじゃないかと思った。
私はウチワで風を送り、タオルで汗をふき、水の補給と声かけを行った。

 

約1時間30分 分娩室で頑張り続けたが、まだ頭頂部しか見えない状態が続いていた。
朋子さんもさすがにもう限界かと思っていた頃、急に赤ちゃんの泣き声が聞こえた。

 

 
じわじわ出てくるのかと思っていたけど、出る時はポーン!と出るみたい。急に産まれたのでびっくりした。
6/29 17:55 2700グラムで誕生。母子ともに健康。

 

 


6/30

 

 
よく寝ていた。
オムツを替えるために足をあげると、飲んだものを吐いてしまうので困った。

 

 
ゆっくり抱いてみた。

 

7/1
岡山の実家に出産の報告へ。
父、母、叔父、叔母、弟も喜んでくれた。

 

 
ついでに庭の一角にヤマボウシを植えてみた。

  

  
サン・テグジュペリは「ほんとうに大切なものは、目に見えない」という素晴らしいメッセージを残してくれたけど、
娘の誕生は、私たちにとって「目に見える大切なもの」ができたのだと思う。
娘には、いろんな風景や物を見て、いろんな経験をして、自分の「目に見えない大切なもの」を見つけてもらえたらと思っている。

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