乗り越えて生まれる

出産もふたりめともなると慣れたもので、ムスメが生まれた時に感じたような感傷的気分は感じない。それよりも今回の出産にはトラブルが多すぎたので、無事生まれたことにほっとしているというのが本心である。

まず妊娠中期ごろの妻の盲腸。これは手術を伴うものだったことから、最悪の事態を覚悟しなければならなかった。
そしてもうひとつのトラブルは妻に水痘の抗体が無いことに加え、ムスメの水疱瘡発症出産２週間前という、いまいちわかりづらいけど病院的には大変な事態らしいことが起きた。要するに水痘ウイルスというのは新生児にとってとても危険（死に至るケースもあるとのこと）であり、その感染力はとても強力なため、出産時、入院時ともに徹底的な隔離状態によって他の入院患者に感染させないようにしなければならない、ということで厳戒態勢の中、出産となった。
そして生まれた後もウイルスの鎮静期間までは母、子を隔離するということに。

そんな逆境にも負けずに元気に産声をあげた男の子の名前は、新太（あらた）と名づけた。
生まれる前からトラブルが続いて大変だったかもしれないけど、無事乗り越えて生まれて来た。
生死に関わる逆境はそうそう無いかもしれないが、いろんな物事を乗り越えて新しい価値を太く築いて行ってほしい。

姉は弟の名前を「イルカ」にしなければ怒ると言い張っているが、いつか自分の弟がイルカじゃなくてよかったと思う時が来るだろう。

そんなわけで平成27年（2015年）4月27日に佐野新太、誕生しました。